加古川市で平和のための戦争展開く

コロナ感染症が拡大する中でしたが、8月12日~14日、加古川市内で第22回「加印平和のための戦争展」が開催されました。展示会場では、地元の戦跡紹介や兵士の遺品などが多数展示されました。また、平和の旅を通じて得た「日本軍は東南アジアで何をしたか」の説明資料や沖縄の米軍基地についての資料、「広島から次世代へ平和のバトン展」では被爆写真や惨状を描いた絵などが展示されました。

戦争展は資料展示と開催期間中、別会場で連日講演会が開催されました。14日(土)午前の講演会で前田清氏(日中友好協会県連会長)が「日

米首脳会談と台湾問題」と題し講演しました。台湾問題について、中国は「台湾問題は核心的利益」と強く主張、米国は「『専制主義と民主主義の競争』で台湾を支援(軍事)」と表明し、日本の自衛隊最高幹部は「台湾は日本にとっても守るべき第一列島線の直ぐ西にある戦略上の要衝であり、日本防衛の最前線」と指摘している。さらに前田氏は、台湾問題をめぐる米バイデン政権と日本の菅政権の動きや日米首脳会談と日米共同声明、G7主要7ゕ国会議の内容について説明し、また台湾の歴史についても詳しく解説しました。

講演終了後、ゲストとして会場を訪れていたスオナ奏者・李拓さん(兵庫県在住の日本人高校生)が紹介され、自己紹介のあと一曲を披露しました。李拓さんは、中学生の時、両親と一緒に中国を訪れた際、スオナの演奏を間近で聞き、その音色に魅了されスオナを購入し練習を始めたそうです。昨年10月からは演奏活動を開始し、スオナの魅力を全国に伝えたいと抱負を語っていました。

好評の「中国歴史講座」

卑弥呼時代のイメージが華やかに!

日中友好協会加古川支部主催の中国歴史講座新シリーズ「古代日本人の世界観」の第2回が7月3日(土)に加古川市内で開催され市民57人が参加しました。来村多加史阪南大学教授が「卑弥呼が見た中国文化」をテーマに講演しました。

来村教授は写真や年表、地図入りの手づくり資料をもとに解説。「魏志倭人伝」に記された倭人たちの暮らしや風俗を同時代の中国(後漢・三国)と対比し遺跡の写真や挿絵を示し説明。倭の諸国の位置と戸数、風俗や物産、卑弥呼の即位の経緯、朝貢の記録などについて解説しました。

倭人の男子は、身分の高い者まで顔から全身に刺青を施し、その模様により出身地を判別する習慣があったこと。一方、中国では儒教の影響で刺青は罪人の証として用いられていた。この風習は日本では古墳時代まで続き、人物埴輪で確認できるが飛鳥時代には施さなくなったと説明しました。

また、男女の髪型と衣服については、遺跡の写真や挿絵も活用し、日中の違いを解説しました。倭人男性の髪型はマゲを露出するの対し、当時の中国の成人男性はマゲを隠すことが習慣であった。女性の髪型は、長い髪を結わず後ろへ垂らし、先を折って結ぶ髪型で「高松塚古墳の女性群像」でも明瞭です。中国の女性の一般的髪型は三種あり、小女・成人・年配の他、多様で女性のオシャレのポイントはカンザシとクシにあり、男のオシャレのポイントは腰に鍵や飾りのものをいっぱいぶら下げていた。

女性の衣服については、倭人女性は「貫頭衣」で、中国では当時、布を縫い合わせ広くゆったり」とした衣服の時代となっていた。また倭人の風習に、身体に朱丹を塗り魔除けの力があると思っていたの対し、中国人は顔に白粉(おしろい)を塗っていた。

最後に来村教授は、女王卑弥呼が魏の都、洛陽に使者を派遣した際の献上品に対する魏帝よりの贈答品の品々についても詳しく触れ、それまでは九州止まりであった精良な銅鏡が機内に及んだのは銅鏡下賜に関連する現象かも、と説明しました。

来村教授の講演を聞いた参加者からは、「今まで考えつかなっかた髪型・衣服・風俗などを知り大へん興味深かった」「卑弥呼の時代のイメージが華やかになった」「魏志倭人伝の中味がとてもわかり易く楽しい講座でした」などの感想がアンケートで多数寄せられました。

第22回「加印平和のための戦争展」

再び戦争への道を歩まぬためにー平和のバトンを次世代へ

昨年に続き、今年もコロナ禍の中ですが、平和を願い22回目の「加印平和のための戦争」を開催します。地元住民提供の戦時資料や日中戦争、沖縄と基地、治安維持法犠牲者、毒ガスの島・大久野島、戦没者名簿、遺品などの展示と開催期間中には講演会と「長崎の鐘」上映会を予定しています。(写真は昨年の戦争展)

開催日程:8月12日(木)午後1時~8月14日(土)午後5時

会場:加古川総合庁舎1階「かこむ」(JR加古川駅南東へ6分)

参加無料   会場電話:079-421-1101

◆「講演会・長崎の鐘上映」

・8月12日(木)14:10~16:00

「天皇機関説から85年ーみつかった美濃部達吉の手紙」

講師:宮先一勝氏(美濃部研究会会長)

・8月13日(金)「長崎の鐘」上映会 ①10:00~②14:30~

・8月14日(土)午前10:00~12:00

講演「日米首脳会談と台湾問題」

講師:前田清氏(日中友好協会)

・8月14日(土)午後13:30~15:30

講演「ポストコロナで憲法はどうなる」

講師:木下智史氏 主催有事ネット東播磨

会場:加古川総合庁舎1F「講座研修室」

主催:加印平和のための戦争展実行委員会

後援:加古川市、高砂市、稲美町、播磨町、各教育委員会

連絡先:080-6158-2371(菊本)

※マスク着用でお越し下さい。宣言が出た場合は中止

中国歴史講座「卑弥呼が見た中国文化」

来村多加史教授が語る―古代日本人の世界観

前回の「弥生人の見た中国」に続いて、今回のテーマは「卑弥呼が見た中国文化」について来村多加史阪南大学教授が講義します。いわゆる「魏志倭人伝」をテキストで読み、帯方郡の使者が何度も邪馬台国を訪れていることが明らかで、その度ごとに、中国で作られた珍しい品々が倭国にもたらされたことでしょう。

女王卑弥呼は、使者である中国の知識人から、彼の地の事情を聴く機会があったことが明らかです。今回は、「魏志倭人伝」を読み、同時に考古学の出土品を検証しながら、邪馬台国時代の日中交流を、NHKTV歴史番組などでお馴染みの来村多加史先生手づくりの大好評「テキスト」で学びます。どなたでも参加できますので是非ご来場下さい。

日時:2021年7月31日(土)午後2時~4時30分

会場:東播磨生活創造センター「かこむ」1F講座研修室

   JR加古川駅南東へ徒歩約6分

講師:来村多加史 阪南大学国際観光学部教授

資料代:1,000円、大学生800円、高校生以下無料

主催:日本中国友好協会加古川支部 090-8753-5972(前田)

後援:加古川市教育委員会、神戸新聞社

「漢書」「後漢書」から見る弥生時代の日本

「地理史」「東夷伝」から読み解く倭人諸国の動向

「中国歴史講座」新シリーズが日中友好協会加古川支部主催で始まりました。第1回講座が2月27日午後、東播磨生活創造センターで開催され市民37人が参加しました。来村多加史阪南大学国際観光学部教授が「古代日本人の世界観―弥生人が見た中国」と題し講演しました。

来村教授は初めに「中国の海洋進出が世界的な問題となっているが、日本がこの問題にどう向き合い、どう対処してゆくのかを、深く慎重に考えないといけない。漢字を使う日本は、古来、中国文化の恩恵を受け、中国とは切っても切り離せない関係を続けてきました。日本人の中国観は時代ごとに様変わりしました。中国を大国と認めつつも、卑下してなるものかという負けん気があり、そのことは推古朝の外交にも伺えます。新シリーズでは、文献学と考古学の成果をもって各時代の日本人が抱いていた中国観を探ります」

弥生時代の中国と日本の年表を資料で示し、前漢時代の歴史を綴っている「漢書」―地理志、燕地の玄莬・楽浪郡を記した末尾に19文字の弥生社会の状況を伝える記載があり、その原文を読み解説しました。地理志は武帝期(弥生時代中期後半)の日本事情を伝えており、その頃、日本は100ヶ国余りに分かれ、それぞれが年ごと、季節ごとに貢物を持ってやってきたという。ただし、「朝貢」の語は使われていないことから彼の行く先は楽浪郡の群都であり、漢の都・長安までは及んでいなかったと思われます。

後漢書―東夷伝の日本に関する記載は「東夷列伝」の末尾に記載されているが、「三国志」と重複するいわゆる「魏志倭人伝」の部分です。魏志倭人伝は日本人だけの言葉で中国の学会で通用しない。また、三国志のごく一部であり独立した書ではない。日本に関する2008文字の記載があり、3段階に分かれていて、①帯方郡の使者が報告した倭の諸国の位置と戸数など②倭の風俗や物産に関する情報③卑弥呼即位の経緯、景初・正始年間における朝貢の記録などが記載されている。建武中元二年(紀元57年)倭奴国の使者は光武帝の最晩年に派遣され後漢の都である雒陽(河南省洛陽市)を訪れている。

来村教授は、当時の帯方郡(現北朝鮮)から末盧国(九州北部)までの海路図や潮流、対馬、壱岐に残る遺跡、古墳などを紹介し、遺跡から発掘された副葬品の銅鏡などを写真で紹介しました。

第2回講座は2021年7月31日(土)に開催予定、テーマは「卑弥呼が見た中国文化」

中国歴史講座「古代日本人の世界観」

来村多加史先生講演ー弥生人が見た中国ー

東アジアを視点に古代中国と日本の歴史を学ぶ講座は新しいシリーズに入ります。古来、日本人が中国とどう付き合ってきたかを、文献記録や考古資料で探り、現代の日中外交史を考える上での基本を追及します。

NHK歴史番組などでお馴染みの来村多加史先生の「中国歴史講座」です。中国の歴史を基本に、同時代の日本人=弥生人はどういう世界観をもっていたのか?わかりやすく、大好評の先生手作りのテキストによる講義で学びます。どなたでも参加できます。

日時:2021年2月27日(土)午後2時~4時30分(質疑応答含む)

会場:東播磨生活創造センター(かこむ)1F講座研修室

講師:来村多加史 阪南大学国際観光学部教授

資料代:1,000円、大学生800円、高校生以下無料

感染予防対策をして開催します。必ずマスク着用下さい!

コロナ感染拡大状況により変更になる場合がありますので、参加に際しては下記へご確認下さい。

主催:日中友好協会加古川支部 090ー8753-5972

講演「ポスト・コロナの世界と中国」

中国が東アジアと世界における「平和・反核・軍縮・民主主義・環境保全」に向かってリーダーシップを発揮することを願う

12月13日、加古川市で開催された日中友好協会加古川支部主催の「中国問題学習講演会」で山本恒人大阪経済大学名誉教授が講演した内容の要旨を紹介します。

ポストコロナをリードする中国

中国問題を見る場合、トータルに中国を考えることが大事で、新型コロナ感染症への対応も、当初、武漢の「医師問題」に見られる失敗といわれる「欠陥と不足」を認め、初動の遅れが「建国以来の公共衛生事件」を招いた(習近平)。初動の遅れを反省し、病院の新設などの「集中的、徹底的対応」をとり、現在のコロナ感染症の統計を見ると殆ど封じ込めた状態にあるといえる。

拡大を止める速さが経済回復のテンポを決める

データをもとに、「感染拡大のストップのスピードが、経済回復のテンポを制す」として、中国のGDPの推移を他国と比較して説明。

米中は「関与」から「分離」へ

米中の経済対立とその歴史的な経緯を、ニクソン時代のキッシンジャー国務長官の「対中関与」と対比し、現ポンペイオ国務長官スピーチでの「対中関与政策を根本的に転換」し、価値観の異なる中国との全面的な対決、すなわち冷戦期のイデオロギー対立に類似した世界を見越していると説明。

中国の発展方向、三つの段階で目標、国民所得の底上げ

中国の国家発展方向について、今年開催の党19期五中全会決定で簡潔に述べている、2020年までの第一段階「小康社会の全面達成。貧困ゼロ。2035年の第二段階で近代化基本的に達成。第三段階は2050年、米・独・日に並ぶ。投資主導型から消費主導型へ。外需から内需へ。国民所得の底上げ、内需を大きくする方向、格差を縮小、先進国を目指す。

香港・台湾・少数民族問題

香港・台湾・少数民族についてその問題点を説明。台湾の「一国二制度」は切り離すことのできない「一体」概念で五十年という期間は創造的で動的な過程である。また、一国二制度とは、「自治」を進めながら国の「秩序と統一」を図り、どういう国家を建設していくかという「世界史的課題」なのである(丸山重威・日中友好新聞)。なお、香港市民、学生は、「香港独立」論や「暴力肯定」とは一線を画している。台湾については、「台湾人が共有するSARSの記憶」をもとに「水際作戦」「マスクの市場管理」など早期の対応が成功した。

大漢民族主義の風(文革期の如し)

今、最も懸念されている問題としての少数民族問題を取り上げ、習近平演説での「正しい国家観、歴史観、民族観、文化観、宗教観を確立」するための教育強化を指示。その中で、「イスラム教の中国化を堅持せよ」と語り、ウイグル族などイスラム系少数民族の信仰を党の指導下に置き、社会主義的価値観と融合させるよう求めている。また、内モンゴルで今年9月の新学期から「モンゴル語」での教育を制限。来年以降は道徳や歴史の授業も漢語の教科書にすると表明、など大漢民族主義の風が強まっていくことが懸念される。

日中韓の連帯こそ東アジア・世界への貢献

最後に、「中国は、米国と共にアジア軍拡を主導していると見られている。中国の経済発展と豊かさへの前進は称賛に値するが、平和・軍縮・自由と民主主義の旗手たりえていない」(井手啓二氏)の指摘に同意しつつ、この課題解決は中国だけでなく日本の課題でもある。明治以来の中国と東への侵略と加害の「歴史の克服」は国民共通の課題である。アメリカによる「中国脅威論」に追随し、憲法改悪・戦争への道を突進する日本の現状にストップをかけるのは私たちの責任である。その主体的な歩みこそ、中国が東アジアと世界における「平和・反核・軍縮・民主主義・環境保全」に向かってリーダーシップを発揮する時代を迎える保障となり、励ましとなる。(M)

学習講演会「ポストコロナの世界と中国」

覇権か国際協調か・米大統領選後の米中新冷戦の行方

コロナ禍を克服した中国・国家と社会の役割が鮮明、世界が注視する香港・台湾・少数民族自治問題などについて山本恒人大阪経済大学名誉教授の講演を聞き学習します。どなたでも参加できますのでお誘い合わせてご参加下さい。

日時:2020年12月13日(日)午後2時~4時30分

会場:東播磨生活創造センター(かこむ)1F講座研修室

(JR加古川駅南を南東へ徒歩5~6分、県加古川総合庁舎)

講師:山本恒人大阪経済大学名誉教授、協会大阪府連副会長

資料代:500円 マスク着用でご参加お願いします

主催:日本中国友好協会加古川支部

連絡先:090-8753-5972(前田)

「加印平和のための戦争展」多くの市民が参観

資料展示と記念講演で平和の大切さ訴える!

再び戦争への道を歩まぬために―平和のバトンを次世代へ―をテーマに8月13日~15日加古川市の東播磨生活創造センター「かこむ」1F展示場で第21回「加印平和のための戦争展」が開催されました。展示会場には東播地域に残る戦争遺跡の写真や地図、日中戦争の写真や遺品、図表・写真などで紹介する今の沖縄問題、原爆被害の写真、絵画など数多くの資料が展示され、猛暑の中を多くの市民が参観していました。

開催期間中、記念講演会や映画「ああ、ひめゆりの塔」上映会も開かれました。8月13日午後開かれた記念講演会では、「コロナ・ペスト・731部隊」をテーマに前田清氏(日中友好協会加古川支部長、県連会長)が講演し、市民44人が参加しました。

戦後最大のパンデミックと言われる新型コロナウイルス感染症に対する中国、アメリカ、ブラジルなど主要国指導者の発言を紹介し、これまで人類が疫病と闘ってきた歴史を紀元前14世紀から現代に至るまでマラリヤ、天然痘、ペスト(黒死病)などについて「世界の感染症年表」を示しながら、疫病の大流行が歴史を動かしてきた、その度に蔓延に苦しんだ国々が発生源をなすりつけ合ってきた歴史が今なお続いていると指摘しました。

新型コロナウイルスとの闘いは歴史を見ればわかる、人類の歴史は感染症との闘いの繰り返し、人間とコロナウイルスは広い意味で「共生」関係にある。根本的な対策は、地球温暖化防止、過密大都市の分散化にあり、緊急に対処すべきは富裕層と貧困層、先進国と発展途上国での被害の大きな格差を是正すること。利潤追求を第一とする新自由主義加速による自然破壊への自制が必要ではないかと。自然破壊を継続すれば更に新たなウイルスが出現し人類を苦しめるだろうと語りました。

最後に、第二次世界大戦中に細菌研究、開発を行った731部隊について触れ、この部隊は、ペスト菌や炭疽菌などの細菌兵器を極秘に研究・開発し、そのデータを得るために「マルタ」と呼ぶ中国人捕虜などを使い生きたまま様々な人体実験を行い、遺体は焼却炉で処分するという蛮行を繰り返していた。人命を守るべき医学者がなぜ一線を越えたのか、「民族衛生資料」北海道帝国大学教授講演録の一部に生体解剖を正当化する内容があり紹介し講演を終えました。『匪賊(抗日勢力)が人間を殺すならば、その報復ではないが、その匪賊を材料にしてはどうかと思いついた。死んだ者は絶対に駄目である・・匪賊一人を犠牲にしたことは、決して無意義ではありません。これほど立派な材料は従来断じてないということだけはできます』。(写真は8月13日撮影)

中国外交史のなかの日本ー中国・唐代後期

『新唐書』「渤海伝」を読み唐王朝、統一新羅、日本の関係を学ぶ

協会加古川支部主催の新シリーズ第9回「中国歴史講座」中国外交史のなかの日本―中国・唐代後期―が7月25日午後、加古川市内で開催されました。来村多加史阪南大学国際観光学部教授が自身の手づくり資料で7、8世紀の統一新羅が治める朝鮮半島と日本、そして唐王朝がからむ三国関係について解説しました。

668年に高句麗を滅ぼした唐は、高句麗の故地に安東都護府(地方を治める役所)を置き、新羅の地にも鶏林州都督府を置いて朝鮮半島を直接支配しょうとしたが、新羅が反発し戦争となり、670年から676年の7年間激戦となった。新羅は唐軍を撃退し朝鮮半島を治め統一新羅を樹立。698年には高句麗の故地で渤海国が成立します。

こうした歴史の流れを整理するために来村教授は『新唐書』「渤海伝」の原文を読み、当時の中国東北部の民族、部族の分布や朝鮮半島の情勢についてわかり易く解説しました。また、渤海国の使者が度々来日していること、大陸から日本海を渡る海上ルートについても地図を示しながら説明、渤海国と当時の日本が人、文物の交流を盛んに行っていたことを紹介しました。唐の文化は遣唐使が伝えたと言われるが、渤海使や遣渤海使が伝えた情報や文化も見逃せないと解説しました。