キャッシュレス旅行はできるか?

スマホさえあれば生活できる「キャッシュレス社会」とはどういうものか著者自身旅行で経験したことを元に書いてみます。

航空機の出発が遅れ、上海浦東空港に予定の1時間半遅れで到着しました。実はホテルまでの送迎車をあらかじめ手配していました。到着後スマホの電源を入れるとすぐに着信があり「配車サービスの案内人ですが、託送荷物はありますか?ヒコーキが遅れたようですが問題ないです。すぐに出発できますので荷物を引き取ったら電話を下さい」とのこと。キャリーバッグを引き取り電話をして案内人の方と合流、そのままクルマでホテルまで直行。料金はアプリから決済して完了。

部屋に冷蔵庫があったので夜に飲むビールを買いに近くのコンビニへ。ここでも支払はアプリのバーコードを読み取ってもらって決済完了。昼食は蘭州牛肉拉麺を食べる、ここは店のバーコードをアプリで読んで金額を入力して支払をするスタイルでした。夕食は口コミで評価の高かった素食(肉を使わず野菜だけで調理された料理。日本でいう精進料理のようなもの)の専門店へ、店まではシェアサイクルで行きました。見た目は普通の肉料理なので野菜だけで出来ているところがすごい。支払はテーブルのバーコードを読み込んで完了。レジに行かなくていいので非常に楽です。 続きを読む キャッシュレス旅行はできるか?

銀聯カードの使い道

電子決済サービスに押されて少々マイナーな存在になってしまった銀聯カードですが、日本国内のクレジットカード会社などで発行しています。現地での使い道はどうなっているかを紹介したいと思います。

できる事
  • 銀聯ステッカーの貼ってある銀聯取り扱い店での買い物には使えます。(海外の銀聯はダメといわれる事もありますが、『中国と同じカード』と押し通すことでほぼ使えます)ただスマホによる電子決済サービスの気軽さと手数料の安さのせいか少額の決済では断られる事があります。
  • 中国の携帯電話料金のチャージ(充値)ですが、たいていの営業所には「自助服務機」というセルフマシンが設置されています。カード挿入口に「银行卡」と書かれているので使えなさそうな気がしますが、ズバリ銀聯カードの事ですから問題なく使えます。
  • 上海に限りますが公共交通カードの「自助服務機」でも同様に使えます。(「自助服務機」系は他の所でも使えると思います)
できない事
  • 現地ATMでの現金引き出し(キャッシング)はできません。もっともATMによってはVISAなど国際クレジットカードでのキャッシングができます。
  • 高速鉄道などの鉄道きっぷはシステムの関係上、現地銀行発行のカードに限られています。窓口に「銀聯」ステッカーが貼っていても現段階では使えません。
  • 電子決済サービスの紐づけ用カードとしても使えません、あくまでも現地銀行発行のカードに限ります。

大別するとこのようになります。特段メリットはありませんが、持っておいてもいいかもしれません。そのあたりは自己判断で。

あと中国系銀行(中国銀行-Bank of China、中国工商銀行など)の日本支店発行のデビットカードやネオ・マネー発行のプリペイドカードもあります。ショッピングに併せATMでの現金引き出しもできます。(こちらも鉄道きっぷの購入・電子決済サービスの紐づけ用としては使えません)ご参考までに

中国を知るには「研究中国」誌

中国の研究者が日本や日中関係をどうみているか?

中国社会科学院は中国の社会科学研究の最高学術機構で、8つの国際問題研究所を擁していますが、単一国を対象として設立しているのは米国研究所と日本研究所の2研究所のみです。

日中関係と民間交流の新たな扉を開く

日本研究所社会研究室の室長で研究員の胡澎(HuPeng)氏が、昨年11月「日中関係と民間交流の新たな扉を開く―日中国交正常化45周年によせて―」と題し芦屋市で講演しました。その後改めて講演内容を基にまとめられた論文を執筆され、研究中国誌第6号(2018年4月発行)に紹介されました。中国の日本研究者が日本や日中関係をどうみているか大へん興味深い内容です。ご希望の方にはお送りします。(日本中国友好協会「研究中国」刊行委員会発行、定価600円+送料160円)

連絡先:日本中国友好協会兵庫県連合会
〒658-0072  神戸市東灘区岡本1-14-10  岡本住宅ビル3F

Tel&Fax:078-412-2228  E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net

北京でもキャッシュレス乗車

北京市軌道交通(地下鉄)は2018年4月29日より西郊線を除く全線で二次元バーコードによるキャッシュレス乗車が始まりました。利用の方法は専用アプリ「易通行」をインストールし、中国の携帯電話番号とIDカードで会員(実名)登録を行います。キャッシュレス乗車をする場合は中国工商銀行、京東支付、支付宝などのモバイル決済サービスにて実名認証と紐づけを行います。

使用方法は上海と同じで、バーコード読み取り口(北京は黄色の枠の中)に二次元バーコードを読み取らせて改札機の入場、出場・支払を行います。

当面乗車割引サービスがあり月ごとの利用累計金額が100元に達すると次回乗車より2割引、150元に達すると次回乗車より半額となります。(累計400元に達すると割引は終了)

北京市軌道交通ではスムーズな改札機通過のため「改札機5m前で二次元バーコードを表示させてほしい」と呼びかけています。(北京地鉄サイトより)※残念ながら今のところ外国人は利用できません

5月の中国茶講座

武夷山で生産される岩茶を紹介します

中国福建省にある世界遺産・武夷山で生産される岩茶を紹介します。武夷岩茶は福建省北部の武夷山市で生産される青茶で、茶樹が山肌の風化した岩に生育しているためこの名がつけられています。中国十大銘茶の一つです。

  • 日時 2018年5月16日(水)午後1:30~3:00
  • 会場 日中友好協会兵庫県連合会「会議室(阪急岡本駅西へ1分)
  • 講師 高級茶芸師 高級評茶員 神田貴子さん
  • 定員 15名  事前予約が必要です

参加費 1,000円 茶菓子、お土産付き

5月は終了しました。次回は6月20日(水)に開催します。テーマ:中国緑茶

主催 日本中国友好協会兵庫県連合会「中国茶講座」

078-412-2228    E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net

中国・春の風物詩「柳の綿毛」

楊柳(枝垂れ柳)や柳樹(ポプラ)の綿毛が飛散

春になると様々な花が咲き始めます。その一つに柳があります。中国では古来より枝垂れ柳は文学作品にも登場するなど多くの人々に親しまれてきました。

この柳に花が咲き、花が終わると白い綿毛が町中を飛び始め一面雪が積もったように白くなります。これが柳の綿毛「柳絮」(りゅうじょ)です。中国ではこの柳を楊柳と呼び、特に1990年代以降、生育が早く植林から12年程でベニヤ板や家具などの加工用として使用出来るので注目され中国各地に植えられました。

綿毛は大へん軽いので風に吹かれ町中を飛散するため人々にとっては厄介なものです。特にアレルギー疾患の原因ともなり、外出時には帽子にメガネ、マスクを着用し防がなければなりません。中国の人々とって、日本の花粉同様この間、楊柳(枝垂れ柳)や柳樹(ポプラ)の綿毛に悩まれることになります(写真は、道路や庭の緑に薄っすら積もった綿毛、北京市郊外で4月26日撮影・飛散前の写真はchinese.comより)

澳門LRTタイパ線で試運転始まる

澳門初の軌道系大量輸送機関として大きな期待

澳門政府の運輸インフラオフィス(GIT)は、3月29日、澳門新交通システム(LRT)プロジェクトで先行開業しているタイパ線(9.3Km、11駅)の一部で試運転を開始したと発表しました。澳門政府は観光客増加に伴い、新交通システム(LRT)による大量輸送に大きな期待をかけています。

第1期プロジェクトは澳門半島北部の關閘~外港フェリーターミナル~新口岸~南湾湖~媽閣の半島線と媽閣~西湾大橋~コタイ地区~澳門国際空港、タイパフェリーターミナルの2線21駅、全長21Kmが計画されています。半島線はルート調整が難航するなど本格的な着工には至っていません。

先行着工(2012年末)したタイパ線は試運転を経て2019年開通予定です。第1期プロジェクトには、国際入札を経て三菱重工と伊藤忠商事の共同体がLRTシステム一式を受注し、2017年11月より日本から車両の搬入を進めています。(澳門新聞

第11回「漢詩を読む会」

故人西の方黄鶴楼を去り

今回は李白と「春眠暁を覚えず」で有名な孟浩然との交遊についてお話し頂きます。孟浩然が揚州に下るのを見送った李白の僅か二十八文字の七言絶句。しかし、広大な中国の大河とぽつんと浮かびやがて消えゆく孤舟の対比が絶妙です。

  • 日時:2018年6月9日(土)午後2時~4時
  • 会場:日中友好協会兵庫県連合会「会議室」
  • 講師:丹羽博之 大手前大学総合文化部教授
  • 資料代:1,000円       どなたでもご参加頂けます

日本中国友好協会「神戸中国文学同好会」

お問合せ:☎078-412-2228

E-mail:okmt50@nicchu-hyogokenren.net


黄鶴楼送孟浩然之広陵 李白

故人西辞黄鶴楼 故人西のかた黄鶴楼を辞し
烟花三月下揚州 烟花三月揚州に下る
孤帆遠影碧空尽 孤帆の遠影碧空に尽き

唯見長江天際流 唯見る長江の天際に流るを

対米貿易摩擦からみた日中関係

横井和彦同志社大学経済学部教授が日中関係の展望を語る

「米中の経済摩擦で日本が最も厳しい立場に」

4月21日、神戸市内で、横井和彦教授が講演しました。先ず、「対米貿易摩擦からみた日中関係」について、米中の経済摩擦により日本が最も厳しい立場になるだろうとの見解を示しました。トランプ米大統領は3月22日、中国や日本へ鉄鋼・アルミ製品への高関税の輸入制限を命じる署名式で「日本の安倍首相や他の人たちに言っておきたい。彼らはいいやつで私の友人だが、『こんなに長い間、米国をうまく騙せたなんて信じられない』とほくそ笑んでいる。そんな日々はもう終わりだ」と発言しました。

「米国が高関税を実施すれば、日・米企業に大きな打撃」

中国経済は2001年のWTO加盟以降、飛躍的に発展しました。その原動力は、中国国内で経済活動を行う日本や米国、シンガポールなどの外資系企業で、2016年時点で全体の割合は43.3%となっている。外資系企業が中国国内で生産活動を行うための生産財を海外から輸入し、製品を輸出する。米国が中国、日本に高関税を実施すれば、中国内で経済活動を行う日本や米国の企業にとって大きな打撃となります。中国はすでに輸出依存型経済ではなく高関税が実施されても中国企業にはそんなに大きな打撃とはならないだろう。

「日本の中国向け輸出額は過去最高を更新」(2017年)

中国は大きな国内市場を有し、製造業のサービス化と生産型サービス業は発展している。生産における分業が進み、モバイル決済が急速に拡大し、情報化と産業化の融合、一体化を推進しています。深圳湾ソフトウエア産業基地は外国人にも開放され、中国発イノベーション(創新)が進んでいます。日本は、日米より日中へ舵を切った方がよいのではないか。2017年には中国向け輸出額が米国向けを上回りトップになりました。これは中国での日本企業の生産が活発になっている表れです。日中の関係は「工場」から「技術革新」の拠点へ、国を超えて知的連携を進めることが近道ではないだろうか。

中国茶の茶道具や茶器を紹介

中国茶で使われる茶道具や茶器の説明を聞き銘茶を味わう

4月18日の「中国茶講座」は、神田貴子高級茶芸師、高級評茶員が中国茶で使われる茶道具や茶器について紹介しました

「蓋碗」磁気の茶器で、急須のようにお茶を入れたり、湯飲みとしてお茶を飲むこともできます。蓋碗を構成する蓋・碗・托はそれぞれ天・人・地を表し、別名「三才碗」とよばれています。

「紫砂急須」鉄分を多く含む陶土から作られる急須で、江蘇省宜興市で生産されるものが有名。紫砂急須は香りを吸収するため、初めに入れた種類のお茶専用で使います。使用後の手入れは、洗剤を使わず水かお湯で洗いよく乾かします。

「茶缶」茶葉の保存に使います。材質は磁気、陶器、錫、紙、ステンレスなどがあり、庶光性のある物が良いとされます。通気性のある茶缶はプーアル生茶など後発酵茶の保存に適しています。

「茶荷」茶缶から取り出した一回分の茶葉を一旦入れておいたり、茶葉を鑑賞するために使います。 続きを読む 中国茶の茶道具や茶器を紹介