日中友好協会兵庫県連が第64回大会開く

不再戦平和と日中両国民間の草の根交流を広げる

日中友好協会兵庫県連合会は6月24日、神戸市内で第64回大会を開催しました。協会内外からの来賓挨拶や中国駐大阪総領事をはじめ、兵庫県議会議長、県内7市長、平和・民主諸団体、協会本部、関西の協会組織などから多数の祝電・メッセージがありました。

この1年、兵庫県連合会、支部が行った平和と友好の多彩な行事を総括し、日中平和友好条約締結40周年にふさわしい今年度の諸活動について討議し、会員、とりわけ若い世代を迎え入れ、楽しく役に立つ行事を各地で開催する中で、協会の活性化と日中友好運動の更なる前進めざす諸議案を採択し、新役員を承認しました。憲法9条改悪を阻止し、東アジアの平和と安定を促進するために奮闘する主旨の大会宣言を採択しました。

中国緑茶の新茶を味わう

6月20日の「中国茶講座」は、講師の神田貴子高級茶芸師、高級評茶員から中国緑茶の産地・種類・色、香りの特徴や淹れ方などについて説明を聞き、緑茶数種類をテイスティングしました。日本の緑茶とは一味違うバラエティに富んだ中国茶を味わいました。

緑茶は中国茶の中で一番生産量が多く、中国茶全体の7割を占めています。茶葉を摘んですぐに殺生(茶葉を高温に熱して酸化酵素の働きを止める)処理をするため不発酵茶になります。不発酵茶は色が美しく、新鮮で爽やかな味が美味しい反面、品質の劣化も早いため冷蔵保存して早目に飲み切るようにしましょう。

7月はお休みし、次回は8月29日(水)午後1:30~ 開催します。

李白の「黄鶴樓送孟浩然之廣陵」を読む

故人西辭黄鶴樓 故人西のかた黄鶴楼を辞し
煙花三月下揚州 煙花三月揚州に下る
弧帆遠影碧空盡 弧帆の遠影碧空に尽き

唯見長江天際流 唯だ見る長江の天際に流るるを

友人は黄鶴楼に別れを告げ、これを西にして、霞(かすみ)立つ三月、揚州に向かい長江を下る。一つの舟の帆が、遠ざかり、ついにその影が碧の空に吸い込まれるように消えてしまう。後にはただ、長江が空のはてに流れゆく。

李白(701~762) 盛唐の詩人

字は太白、蜀(四川省)の人とも、山東(山東省)の人とも、隴西成紀(甘粛省)の人ともいうが、蜀の青蓮郷(綿陽県)とするのが通説。号は青蓮居士、酒仙翁または詩仙と称された。

6月9日の漢詩を読む会は、懐古より「蘇臺覽古」「越中覽古」と望廬山瀑布の七言絶句三首も読みました。李白の「望廬山瀑布」の三句目、飛流直下三千尺の部分、芭蕉はこの詩を読んでいて、奥の細道「日光」で“岩洞の頂より飛流して百尺”と記したのではないかと言われています。(写真:現在の黄鶴楼)

次回、第12回「漢詩を読む会」は8月11日(土)午後2時

テーマ:白楽天と元稹の友情

(当初8月12日としていましたが、11日に変更しました)

武夷岩茶を楽しむ

5月の「中国茶講座」で岩茶5種をテイスティング

岩茶について、講師:中国政府認定、高級茶芸師・高級評茶員の神田貴子さんから説明を聞き5種類の岩茶について茶葉、色、味などの特徴を聞きながらテイスティングしました。

岩茶とは、福建省北部の武夷山で生産される烏龍茶を指します。正確には「正山小種」などの紅茶も岩茶に含まれますが、一般的には「岩茶=武夷烏龍茶」という意味で使われています。

武夷山烏龍茶は全体的に発酵度が高く焙煎も強めにかけるため、茶葉は暗い茶褐色、湯色はオレンジ色や茶色をしています。芳ばしい香りと、濃く芳醇な味わいや後味の甘さが特徴です。品質のよいお茶は「岩韻」と呼ばれる岩茶特有の風味や余韻が感じられます。

岩茶の分類は、育成する場所による分類と品種による分類があります。

◆生育する場所による分類

  1. 正岩茶:奇岩の標高の高い場所で採れるお茶。一番品質が良い
  2. 半岩茶:奇岩の低い場所や谷間で採れるお茶。正岩茶に継ぐ品質
  3. 州茶:山の裾野やその周辺など平地で採れるお茶。

◆品種による分類 「正岩茶」

  1. 名叢:「岩茶の王」と言われる高級品種。四大名叢がある。
  2. 単叢:茶樹一株ごとに単独で摘まれ、製茶される優良品種。
  3. 奇種:岩茶は全て奇種に含まれるが名叢・単叢以外の茶の総称
  4. 名種:半岩茶や、州茶など一般的な品質のお茶。

◆武夷四大名叢 大紅袍・水金亀・鉄羅漢・白鶏冠

岩茶の基本の入れ方

  • 茶葉の量:「茶:湯」は「1 : 22」から「1 : 30」が目安。
  • 湯温:95°C~100°C 抽出時間:20~45秒(2煎目以降+15秒ずつ)

水出し:500ccの水に茶葉5g前後を加え、冷蔵庫で半日以上かけて抽出。

保存方法:茶葉は遮光性、防湿性のある茶筒や缶に入れ常温で可

5月の講座でテイスティングした岩茶

武夷水仙・大紅袍・武夷肉桂・百瑞香・武夷黄観音の5種

次回は6月20日(水)午後1:30~ テーマ:中国緑茶 ご参加下さい。

対米貿易摩擦からみた日中関係

横井和彦同志社大学経済学部教授が日中関係の展望を語る

「米中の経済摩擦で日本が最も厳しい立場に」

4月21日、神戸市内で、横井和彦教授が講演しました。先ず、「対米貿易摩擦からみた日中関係」について、米中の経済摩擦により日本が最も厳しい立場になるだろうとの見解を示しました。トランプ米大統領は3月22日、中国や日本へ鉄鋼・アルミ製品への高関税の輸入制限を命じる署名式で「日本の安倍首相や他の人たちに言っておきたい。彼らはいいやつで私の友人だが、『こんなに長い間、米国をうまく騙せたなんて信じられない』とほくそ笑んでいる。そんな日々はもう終わりだ」と発言しました。

「米国が高関税を実施すれば、日・米企業に大きな打撃」

中国経済は2001年のWTO加盟以降、飛躍的に発展しました。その原動力は、中国国内で経済活動を行う日本や米国、シンガポールなどの外資系企業で、2016年時点で全体の割合は43.3%となっている。外資系企業が中国国内で生産活動を行うための生産財を海外から輸入し、製品を輸出する。米国が中国、日本に高関税を実施すれば、中国内で経済活動を行う日本や米国の企業にとって大きな打撃となります。中国はすでに輸出依存型経済ではなく高関税が実施されても中国企業にはそんなに大きな打撃とはならないだろう。

「日本の中国向け輸出額は過去最高を更新」(2017年)

中国は大きな国内市場を有し、製造業のサービス化と生産型サービス業は発展している。生産における分業が進み、モバイル決済が急速に拡大し、情報化と産業化の融合、一体化を推進しています。深圳湾ソフトウエア産業基地は外国人にも開放され、中国発イノベーション(創新)が進んでいます。日本は、日米より日中へ舵を切った方がよいのではないか。2017年には中国向け輸出額が米国向けを上回りトップになりました。これは中国での日本企業の生産が活発になっている表れです。日中の関係は「工場」から「技術革新」の拠点へ、国を超えて知的連携を進めることが近道ではないだろうか。

中国茶の茶道具や茶器を紹介

中国茶で使われる茶道具や茶器の説明を聞き銘茶を味わう

4月18日の「中国茶講座」は、神田貴子高級茶芸師、高級評茶員が中国茶で使われる茶道具や茶器について紹介しました

「蓋碗」磁気の茶器で、急須のようにお茶を入れたり、湯飲みとしてお茶を飲むこともできます。蓋碗を構成する蓋・碗・托はそれぞれ天・人・地を表し、別名「三才碗」とよばれています。

「紫砂急須」鉄分を多く含む陶土から作られる急須で、江蘇省宜興市で生産されるものが有名。紫砂急須は香りを吸収するため、初めに入れた種類のお茶専用で使います。使用後の手入れは、洗剤を使わず水かお湯で洗いよく乾かします。

「茶缶」茶葉の保存に使います。材質は磁気、陶器、錫、紙、ステンレスなどがあり、庶光性のある物が良いとされます。通気性のある茶缶はプーアル生茶など後発酵茶の保存に適しています。

「茶荷」茶缶から取り出した一回分の茶葉を一旦入れておいたり、茶葉を鑑賞するために使います。 続きを読む 中国茶の茶道具や茶器を紹介

漢詩を読む会、「涼州詞」を読む

盛唐の王之渙と王翰の「涼州詞」2首を読む

4月7日に開催した第10回「漢詩を読む会」は王之渙と王翰の涼州詞2首を丹羽博之大手前大学教授の解説で読みました。

王之渙(688~742)涼州詞 

黄河遠く上る白雲の間 一片の孤城万仞の山

羌笛何ぞ須いん楊柳を怨むを 春光渡らず玉門関

黄河上流の遠く遥かな西の果て、ポツンと立つ砦、途方もない距離感と荒涼とした世界の孤独感。遠い砂漠の前線で涙もかれた兵士の悲しみが突き上げてくる。春の光も届かない所だという絶望的な心境、悲哀を強烈にうたっている。


王 翰(687~726?)涼州詞

葡萄の美酒夜光の杯 飲まんと欲すれば琵琶馬上に催す

酔うて沙場に臥すとも君笑うこと莫かれ 古来征戦幾人か回る

葡萄酒は西方から伝わった珍しい物、中国ではない西の方にあるとい雰囲気が伝わる。寝転がって飲んでいる者、馬上で琵琶を弾いている者、殺伐とした急き立てられるような寸暇の気晴らし。明日も知れぬ命、その苛酷な運命を紛らわそうと束の間の歓楽。戦場のやりきれない気分が表現されている。


次回は6月9日開催予定です。

第3回日中料理交流報告

日中友好協会西宮支部主催で「第3回日中料理交流」を3月25日に西宮市立今津公民館にて、中国帰国者・留学生含む約30人で行われました。

今回は福建家庭料理を福建省出身の林さんを講師に「蒸し鶏(清蒸鱼)」、「あさりの豆腐スープ(花蛤豆腐汤)」と「野菜混ぜご飯(菜饭)」の3菜をワイワイ楽しく調理し、福建産のお茶とともにいただきました。味はあっさりとして食べやすく美味しかったです。

食後は林さんより料理の由来(野菜混ぜご飯は出征前の息子のためにつくられたとか)についての説明があり、テーブルごとに自己紹介や日中交流などの思いを色々と語り合い、ビンゴゲームで盛り上がりました。